SlopeFillersのGreg Blanchardが面白い記事を書いていた。
それによると北米のスキーリゾート50か所のTwitterアカウントを調べたところ、Fakeアカウント(SPAMやBOT)が4.8%、Inactiveが23.1%、Goodが72.1%になったそうだ。
出典:
Slopefillers
50か所のリゾート合計で706,073人のフォロワーを抱えているうち、Fakeが34,174アカウント、Inactiveが163,244アカウント、Goodが509,079アカウントになっている。
約30%のフォロワーが意味のないアカウントであるとすると、単純にフォロワー数が増えたと喜んでいるわけにはいかない。
そこで、日本のスキーリゾートのTwitterアカウントはどうなっているかということで、彼が使った同じツールを使って調べてみたのが下図だ。(2012年8月29日時点)
最もfake率が高いのは4%でHakuba47、瑞穂ハイランド、 セントレジャー舞子スノーリゾートだ。Inactive率が最も高いのはこれまた瑞穂ハイランド。
最もfake率が低いのは0%でユートピアサイオト、湯沢温泉スキーアルプの里だ。Inactive率が最も低いのは猪苗代スキーミネロエリア。
スキーリゾートで最もgoodが高いのは猪苗代スキーミネロエリアで98%、最も低いのは瑞穂ハイランドで83%となった。
フォロワー数トップ20にランクされるスキーリゾートの合計フォロワー数は42,602人。平均すると10%がfakeやinactiveとなり、それを除いた本当のフォロワーは37,812人となった。
Greg Blanchardが調べた北米リゾートと比較すると日本のスキーリゾートが抱えるfakeやinactiveは今のところ三分の一だ。しかし、フォロワー数が増えてくればこの比率は上がってくるはずだ。なんとかgoodのフォロワーを増やさなければならない。それには価値のあるコンテンツを提供してゆかなければならない。その価値のあるコンテンツを共有してもらうことで露出とネットワークを広げてゆかなければならない。
また、goodのフォロワーを抱えていた所で、スキーリゾート側のツィートがフォロワーに露出していなければ、fakeフォロワーと何ら変わる所もないことになる。そのためには、goodのフォロワーに対してエンゲージメントしてゆかなければならない。スキーリゾート側が発信するだけではなく、goodのフォロワーのツィートをモニタリングしてレスポンス、あるいはアクティブサポート的な対話をしてゆかなければならない。
ツィートしておけばそれでお終いという話にはならないのだが、スキーリゾートの中でそこまでリソースを確保できるところは限られている。マーケティング部門をもっていたり、マーケティング担当者がいるところは希だろう。
となると、関係者やアルバイトを含めた社員全員がなんらかの形で、程度の差こそあれ、発信とモニタリング、レスポンスを行ってゆかなければならない。あるいは、同じ県に所在する複数のスキーリゾートで共同チームを組んだり、所在する県や市町村、観光協会などとウィンターチームを組むことも検討しなければならない。
マーケティングと名のつく施策はリソースがなければ進まない。そして、ソーシャルメディアマーケティングの知見や蓄積、個人ユーザとのネットワークは外注では獲得できないだけに、共同チームやウィンターチームに期待をしたい。
それがなければフォロワー数の増減に一喜一憂するだけに終わってしまう。絵に描いた餅の大きさに目をとられて裏側でカビが広がっていることに気がつかない。