2012年5月31日木曜日

彼我の差はかくも広く、深く、そして遠い

昨日、一昨日と2日にわたって、AAM(米美術館協会)と、そこが設立したCFM(Center for the Future of Museums)の取り組みなどを紹介し、統計データやマーケティング、将来予想と現状把握、モニタリング活動の必要性について書いてきた。

さて、CFMには、Research Roundupというセクションがあり、その最新のものとして昨年11月7日にアップされた資料がある。
Tools for the future
The Near future
Social Trends, etc.
Other Articles, essays and recent items of interest
Refresh and reflect
といった区分けがあり、Tools for the futureには5項目、7つの資料がピックアップされている。

その中から、「10 Internet Technologies Educators Should Be Informed About」を取上げてみる。これは、EmergingEdTechをやっているK. Walshが2011年9月に公開した資料だ。
  1. ビデオ&ポッドキャスティング
  2. デジタルプレゼンテーションツール
  3. コラボ&ブレストツール
  4. ブログ&ブロギング
  5. ソーシャルネットワーキングツール
  6. レクチャーキャプチャー
  7. 学生レスポンスシステム&投票・調査ツール
  8. 教育ゲーミング
  9. オープン教育リソース
  10. iPad&タブレットデバイス
タイトルの通り、「教育関係者が知っておくべき10のインターネットテクノロジー」だが、こういったソーシャルトレンド、予想、社会における博物館の役割に関係するような参考資料を適宜アップデートしている。

それだけではなく、博物館に関連した情報を収集するため、未来予測に関連したり、カルチャー観光に関するブログをリストアップしたり、ソーシャルメディアトレンドや果てはロボットに関するブログまでリストアップしている。

また、下のようにGuide to Scanning for Changeというスライドも提供している。
この至れり尽くせりといった情報提供があり、各個別博物館の取り組み、トライ&エラーを見聞きして、あるいは内部資料としてのケーススタディなどがあって初めて、2034年に存在できる博物館に成り得るということかもしれない。

彼我の差は、現状認識と、調査・情報収集を元にした未来予測の力に他ならない。

そして今、MoMAのTwitterフォロワーが100万人を越えている時、
日本の美術・博物館で最大のフォロワーを抱えている森美術館が26,000人台なのを知り、
著名美術館のいくつもが、Twitterアカウントを運用していなかったり、アカウントはオープンしているがタダの1回もツィートしていないのを見ると、ここにある差はかくも広く、深く、そして遠いと感じる。

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