2012年5月15日火曜日

ダラス美術館のアニュアルレポートはどこにある?

以前、SFMOMAのアニュアルレポートがiPadアプリで配布されていることを書いた。

参考:マサダ マーケティング施策の実績を明示するSFMOMA

今度は、ダラス美術館がアニュアルレポートが完成したことをツィートしていた。
SFMOMAのようにiPadレディーではないけれど、何が特別かと言うと、ダラスの場合、ホスティングターゲットにScribdを使っていることだ。
(下画面にある「ダウンロード」「今すぐプレイ」は広告なのでクリックしないこと)
出典:Scribd Dallas Museum of Art

Scribdは約5000万人@月のユニーク訪問者数を抱える、いわゆる文書共有サイトとして様々な利用がされている。個人、企業、団体がプライベート、パブリックの文書をアップして様々な共有を行っている。そんなScribdに美術館のアニュアルレポートがアップされている。

Webサイトではどうなっているのか見にいくと、驚いた。美術館のWebサイトにPDFを置くのではなく、Scribdにおいたファイルを表示させていた。
出典:ダラス美術館

ダラス美術館は、初めてエレクトロニクス化したアニュアルレポートを、自施設Webにおくのではなく、Scribdに上げ、そこからFacebook、Twitter、LinkedIn、Google+などでの共有、ファイルのエンベッド、コピー、コレクションと言った機能を使わせることをメインに考えている。

自施設Webサイトへのトラフィック、ソーシャルプラグイン、ダラス美術館のソーシャルメディアプレゼンスなどを考慮しても、Scribdにアニュアルレポートをおいた方がダウンロード・共有率が高いと読んだ末の結論ということになる。

MOMAならいざ知らずダラス美術館のWebトラフィックでは...、といった否定的な判断ではなく、ソーシャルスペースのScribdとそのユーザが持つパワーを理解すればこその英断だ。

翻って国内にある9分類の博物館が利用者にも分かりやすいアニュアルレポートを作成し、それをユーザが活動するスペースに置いて、露出拡散・共有を図っているかとなると、まだまだのようだ。今こそ、物理面での入館者というクローズドな定義ではなく、自施設の利用者・ネットオーディエンスというバーチャル、オープンな定義を使うべきだと思うがいかがだろうか?その定義を使った施策が求められる時代になってきたと思うがいかがだろうか?

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