しかし、ブルックリン美術館はそんな感じは持っていなかったようだ。今まで参加していたFacebook、Twitter、YouTube、Blog、Flickr、FourSquare、その他のソーシャルメディアスペースでのコミュニケーションを前提として、アーティストやオーディエンス(鑑賞者、審査・評価者)の参加を募り、ブルックリンにあるアーティストのスタジオを一般に公開してもらい、スタジオを訪れて作品を鑑賞、審査したオーディエンスに投票してもらう。その中からブルックリン美術館のキュレーターが審査し、上位2作品以上を12月に予定されているグループ展に出品しようという「GO」プロジェクトを開始している。
Just launched! GO see art in Brooklyn and help us curate a group show!Artist registration begins June 4 gobrooklynart.org
— brooklynmuseumさん (@brooklynmuseum) 5月 17, 2012
アーティストにとって、常設展、公募展や企画展など数多くの出品機会があるが、一般的に主催団体・主催者側の審査を経た上で出品できるようになる。
しかし、今回は違う。展覧会に行ったこともない、もう何年も行ったことがない、現代アートなんて分からない、現代アートなんてみたことがないといった一般の人たちも参加するかもしれないオーディエンス、投票者に選ばれればブルックリン美術館のグループ展に参加できるようになるかもしれない機会だ。
それこそ、知り合い、友達、家族、親戚を総動員して投票者になってもらい、自分の作品に投票してもらおうとするアーティストもいるかもしれない。ブルックリン美術館には足が遠のいていた愛好家たちが久しぶりの機会だからと、何軒かのスタジオを回り、投票した上で、12月のグループ展に行ってみようというきっかけになるかもしれない。おろしろそうだからと、自宅を開放してスタジオとして自分の作品を見てもらおうとするアマチュア画家が参加するかもしれない。
彼らが、ブルックリン美術館のコミュニケーションチャネルであるFacebook、Twitterなどのソーシャルスペースと交流しながら、自分たちのネットワークも交えて、今回の「GO」プロジェクトの露出を高め、認知を深め、情報・コンテンツを共有してくれるようになる。と、ブルックリン美術館は考えた、少なくとも、そうなるだろうと期待して今回のプロジェクトを開始したのではないだろうか。
アート界初のクラウドソーシングということで、ニューヨークタイムズのWebにも記事が載っている。
まだ、先週の18日に告知されたばかりなので、効果や結果が出てくるのはこれからだが、期待していいプロジェクトだ。
そして、こういった取り組みが日本でも早く行われればと期待が高まるばかりだ。
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