出典:CFM Museums and Sociey 2034: Trends and Potential Futures
これは、2009年から35年後の2034年に美術・博物館や社会そのもの、それを取り巻く環境がどうなっているかという予想を行ったレポートだ。
巻頭に、「予想を立てるというゴールは将来を予言することではなく、今、意味のあるアクションを取るために知っておくべきことを明確にすることだ」という未来予測学者、Paul Saffoの言葉を引いている。
内容は、アメリカ国内の人口に占める人種分布変化・高齢化、就労人口の男女比率変化、エネルギー価格変動、不況、貧富格差、コミュニケーション手段の継続的な革新、コンテンツのデジタル化、コンテンツ流通のデジタル化が、社会や美術・博物館に対してどんな意味を持つのか、どういう影響を与えるのかをまとめている。
そして、2012年版のトレンドウォッチも上がっている。
そこで取上げられているトピックは何かと言うと、「クラウドソーシング」「モバイル」「AR(拡張現実)」などだったりする。
先週、「ブルックリン美術館のクラウドソーシング(速報)」を取上げたばかりだが、3月か4月にリリースされたばかりの2012年版トレンドウォッチの先を行っているような美術館もいるのが現状だ。
参考:ブルックリン美術館のクラウドソーシング(速報)
そうした現状を踏まえると、レポートの表紙の中にある大きなビルのうち、どれかはアメリカの美術・博物館のはずだと思えてくる。もし、それが35年後であったとしても。
同じような表紙の中に日本の美術・博物館もいてほしいのだが、そのためには将来の予想と現在を取り巻く環境を把握し、動向をモニターしていなければならない。
と、考えるとどこかが音頭を取ってやってほしい。
それは全国美術館会議だと思う。
-この項明日に続く
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