2012年5月10日木曜日

広告を掲載するほど機能している名古屋市科学館Webサイト

名古屋市科学館のトップページ下に広告セクションがある。(下をクリックでオリジナルサイトへ)
この広告募集ページに、月平均アクセス件数としてトップページで約40万件という数字が出ている。これがどれほどのものかを確認してみるため、グーグルトレンドで、名古屋市科学館、東京の科学技術館、大阪市立科学館を比べてみた。

すると過去12カ月で継続してユニークビジターが出ているのは名古屋のみ。東京も大阪も継続したアクセスが記録されていないし、どうやら名古屋の半分にも達していそうにない。
出典:名古屋市科学館 広告募集
出典:グーグルトレンド

通常展示に加え、プラネタリウムもあるので名古屋科学館のアクセスが多い、とは言い切れない。大阪にもプラネタリウムはあるし、東京だってプラネタリウムはないけれど各種展示が充実している。

なぜ名古屋市科学館へのアクセスが多いのかは本題ではないので、お分かりの方、ご教授願います。


本題は、とに角、東京や大阪の類似施設よりもアクセスの多いWebサイトを持つ登録博物館である名古屋市科学館が、Webサイトのトップページ下に16枠の一般企業・大学などの広告を掲載していることだ。

ま、名古屋と言えばの人もいるけれど、広告掲載要項を見る限りその人が市長になる前の平成19年から始まっている。全16枠で年間230万円の売上となるわけだが、こういった手法が実施されていることに拍手を送りたい。

他にも美術・博物館、水族館、動物園など、同様手法を取り入れているところはあると思うが、まだ拝見したことはない。

さて、各種博物館は当然、Webサイトを構築し、情報提供を行っている。自施設について、展覧会、企画展、公募展、「??美術館展」、学芸員トークやワークショップイベント、バックヤードツアー、メールマガジン発行、ご意見・ご感想の受付、お問合わせや調達情報、メディア対応等、そのコンテンツは千差万別だが、充実していることは言うまでもない。

そして、これらコンテンツの価値は途方もなく高い。

ただし、「もし、Webに相応数のユーザがアクセスしてコンテンツを消費、共有してくれているとしたら」、という条件がつくのも言うまでもない。

価値の高いコンテンツが存在することに意味はあるが、消費・共有されたコンテンツの価値はその数倍、数十倍、数百倍にも達する。消費・共有するためにユーザがアクセスするWebサイトに意味はあるが、アクセスされないWebサイトの意味は軽く薄い。価値の高いコンテンツが可視化されていなければ、あるいは消費・共有されていなければその意味も価値もないに等しいと言うと言い過ぎだろうか?

名古屋市科学館Webサイトへのトラフィックは多く、Webサイトの価値のあるコンテンツ・情報に多くのユーザがアクセスしてコンテンツが消費・共有されている。月40万ページビューを稼ぐゲートウェイ、コミュニケーションチャネルとして機能している。それだからこそ、科学館が持っている価値のあるコンテンツに上乗せする年間230万円という価値を生み出している。

この価値を東京国立近代美術館、国立新美術館、国立西洋美術館と比べてみる。さすがに国立という冠を載せたWebサイトのトラフィックは多い。が、桁違いの差ではなく、名古屋市科学館Webサイトは常時2番目を死守しているように見受けられる。名古屋市科学館Webサイトはそれだけの価値を生み出している。
出典:グーグルトレンド

さて、以下の質問に答えられますか?
  • あなたの施設は名古屋市科学館Webサイトのように機能していますか?
  • 価値のあるコンテンツを掲載するトラフィックのないWebサイトがあるだけですか?
  • どれくらいのWebビジター数ですか?
  • 消費・共有してもらうためにマーケティング施策を実行していますか?
  • ブログ、Facebook、Twitterをやってますか?
  • 入館者数は何人ですか?
  • メールマガジンの購読者は何人ですか?
  • YouTubeビデオの再生回数は?
  • ポッドキャストのダウンロード回数は?
  • モバイルツアーに参加したのは何人ですか?

Webサイトだけではなく、全般的な博物館マーケティングに関する質問にちゃんとした回答を出している所がある。

そのサンフランシスコにある現代美術館、SFMOMAの話は明日。

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