グラフを追加しておいた。
これはNational Endowment for the Arts(米国芸術振興基金とでも訳すのかしら?どなたか日本語訳をご存知の方、ご連絡ください)が20011年に出している「Age and arts participation: A case against demographic destiny」という調査レポートで、ジャズやクラシックのコンサート、オペラ、ミュージカル、演劇、バレー、その他のダンス、美術・博物館などをベンチマークイベントとして、行ったことがあるかないか、行ったことがあればその回数などを年代、世代コホート別に調査、分析したものだ。
まず、年代ごとに参加したベンチマークイベント、参加イベント数、参加イベントのパーセントインデックスを出している。45-49歳を境にして、いずれもインデックスは年を追うごとに下がってゆく。
この傾向を裏付けるものとして、非耐久消費財の支出がある。20代、30代から増え始め、40代に頂点を迎え、50代に入るや年老いるごとに減ってゆく。
これは日本でも同じだろう。子供に金のかかる年代を過ぎると、後は定年を迎え、65歳からいくらもらえるか分からない年金をあてにするわけにもゆかず、財布のひもをギッチリと押さえこむのは50代以降になる。
いや、米国よりもこれから消費税が増税され、各種社会保障費が減らされそうな日本の方が、その締めつけ方はきつくなるはずだ。
趣味・嗜好に使う金があるなら、貯蓄に回したり、孫にブランド品を買い与えるほうがよっぽどましだと考える中高年は多い。わざわざ、記憶にも残らず、20~40代をターゲットにしたとしか考えられない展覧会、個展に行ってなんのメリットがあるんだと、はき捨てるオジサン、オバサン達は多いはずだ。
さて、話を米国にもどすと、ベンチマークイベントの中で、美術・博物館へ足を運ぶ人たちは一番多い。
出典:米国美術・博物館協会
米国で人気のミュージカルやジャズ、演劇、クラシックを差し置いて、美術・博物館通いをする人の比率は一番高くなっている。
だから美術・博物館は安泰だと言う話にはなっていない。なぜなら、もうひとつの別な調査、「2008 Survey of Public participation in the Arts」があり、それには前回の2002年に比べると2008年時点では、過去12カ月間に美術・博物館へ足を運んだ人が5%ポイントも減っているという事実があるからだ。
出典:米国 National Endowment for the Arts
この調査があるからこそ、「Age...」という調査を行って、どうしたらいいのかを探ったわけだ。
National Endowment for the Artsと同様に、年代ごと、コホート世代ごとの傾向と対策を練り、例えば、「拡大するシニア市場を狙うイオンの次世代SC」というケースもある。
出典:ダイヤモンドオンライン
しかし、National Endowment for the Artsが、「Age...」調査から導き出したのは、中高年対策というよりは別物だった。
それは長くなるので日を改めて別に書くことにします。
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