2012年4月11日水曜日

メトロポリタン美術館のソーシャルメディア対応

いつ頃からメトロポリタン美術館のWebサイトでサービスが始まったのかは分からないが、MyMetというサービスがある。

 このサービスは何かと言うと、収蔵作品のページ中ほどにある、「Add to MyMet」をクリックすると、
 自分の「MyMet」に保存してくれるサービスだ。
メトロポリタン美術館のWebにアクセスするたびに検索したり、ギャラリーや展覧会を探さなくても、お気に入りの作品を自分の「MyMet」でいつでも鑑賞することができるサービスだ。

ま、どこのWebサイトやサービスにでもあるマイページなのだが、メトロポリタン美術館はそれだけで終わっていない。

「いろんなユーザが作った「MyMet」をもっと大勢の人達と共有するスペースを提供しましょう」、ということで、一番上にあげた「What's Your Met?」というセクションで毎週の特集エントリとして取上げ、掲載します。だからメトロポリタン美術館のWebへアクセスした大勢のユーザにも露出し、あなたも有名になれるかもしれません。

MLBニューヨークヤンキースのアレックス・ロドリゲス、NBAニューヨーク・ニックスのカーメロ・アンソニー、シンガーソングライターのアリシア・キーズがMyMetを公開していますが、彼らのようなセレブ達と肩を並べることができるかもしれませんよ。しかし、応募するには、いろいろ決まりごとがあります、という仕組みをとっている。

ポイントはFacebook、Twitter、Pinterest、Flickr、Tumblr.、Instagramを使って応募者の友人・知人、つながっているユーザに告知、露出してくださいということだ。 (なお、Facebookのアプリは動かないようなので、このサービス、あるいはコンテストは3月以前からやっていたようだ)

追記(2012/4/18):
投稿当時、Facebookアプリへのリンク、Facebookページでのアプリは動かなかった。それを @metmusem へ伝えたところ、2日後には使えるようになった。

美術・博物館が、一般的なユーザの日常のオンライン生活で顔を出す可能性は低い。だから、美術に興味を持っているユーザをあおり、彼らの友人・知人ネットワークにメトロポリタン美術館を出してもらおうと言う施策だ。出してもらったご褒美として、特集エントリに掲載しますよ、ということだ。

誰が情報・コンテンツの出し手であり、それを共有しているのが誰かが分かっていないとこういった施策は打ち出せない。

美術・博物館の収蔵品は、そこにあるだけでは日の目を見ない死蔵品であり、美術・博物館がいくら予算をかけて露出してもたかが知れている。その予算枠以上に収蔵品、コンテンツを世の中に露出してくれるのはちょっとしたユーザ達の力とつながりだ。

そして、それを実行するには、美術・博物館の体制、理解が問われるが、メトロポリタン美術館は少なくとも、それを実行に移すだけのものはあったということだろう。

これまでの100年間に行われてきた施策と180度違う施策が求められている。そのひとつは、ユーザの力を借りることだ。

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